貯金ゼロから投資信託を始める場合の選び方は?

貯金ゼロから投資信託を始める場合の選び方は?

貯金ゼロなら、投資信託の選び方より先に、生活費を確保することが大切です。投資信託は元本が保証されないため、病気や失業などで急にお金が必要になったとき、値下がりした状態で売る可能性があります。まずは家計を整えて、当面使わないお金で始められる状態を作りましょう。

貯金ゼロで投資信託を始めてもよい条件

貯金がない状態でも、毎月の収入と支出が安定し、急な出費に対応できる見込みがあるなら、少額で投資を検討できる場合があります。ただし、次の条件を満たしていない場合は、投資信託の購入を急がないほうが安全です。

  • 家賃や食費、光熱費などの生活費を毎月支払える
  • クレジットカードや消費者金融などの高金利の借り入れがない
  • 近いうちに使う予定のあるお金を投資に回さない
  • 投資信託が値下がりする可能性を理解している
  • 価格が下がっても、慌てて売らずに保有できる

「貯金ゼロ」が、口座に現金がほとんどないという意味なら、投資より先に現金を作ることを優先します。一方、生活費とは別にすぐ使える預金があり、単に投資用の貯金がゼロという意味なら、その預金を使わない範囲で投資額を検討できます。

最初に作るべきなのは生活防衛資金

生活防衛資金とは、病気や失業、家電の故障など、予定外の支出に備えて現金で持っておくお金です。投資信託のように価格が変動する商品ではなく、必要なときにすぐ使える預金などで準備します。

必要な金額は、収入の安定性や家族構成、住居費によって変わります。会社員と自営業、単身者と扶養家族がいる人では、必要な備えは同じではありません。

貯金を優先したほうがよいケース

  • 毎月の収支が赤字になっている
  • 家賃や生活費の支払いに不安がある
  • 数か月以内に引っ越し、出産、転職などの予定がある
  • 返済負担の大きい借り入れがある
  • 投資に回すお金が、生活費と同じ口座にしかない

この場合は、固定費の見直しや借り入れの返済、現金の確保を先に行います。投資信託は、生活に必要な資金とは分けた「当面使わないお金」で購入するものです。

投資信託を選ぶときの4つの基準

生活防衛資金を準備した後に始めるなら、商品名や人気だけで決めず、次の順番で確認します。

1. 投資対象を確認する

投資信託は、国内外の株式、債券、不動産投資信託など、さまざまな資産に投資します。株式中心の商品は大きな値上がりを期待できる一方、価格の変動も大きくなりやすい傾向があります。

初めて選ぶ場合は、何に投資する商品なのか、どの国や地域が対象なのかを確認してください。「バランス型」のように複数の資産へ投資する商品もありますが、組み入れる資産の割合は商品ごとに異なります。

2. 分散されているか確認する

特定の会社や国だけに集中する投資信託は、その対象の価格が下落したときに影響を受けやすくなります。複数の会社、国、地域などに分散している商品は、投資先を分けることで一つの対象への集中を抑えられます。

ただし、分散していても元本割れを防げるわけではありません。投資対象全体の価格が下がれば、投資信託の基準価額も下がる可能性があります。

3. 手数料を確認する

投資信託では、購入時手数料、保有中にかかる運用管理費用、売却時にかかる費用などが設定されることがあります。商品によって費用の種類や金額が異なるため、購入前に目論見書などで確認します。

特に長期で保有する場合は、保有中に継続してかかる費用が運用成果に影響します。似た投資対象の商品を比べるときは、手数料だけでなく、投資対象や運用方法も同じ条件で比較してください。

4. 値下がりに耐えられるか考える

投資信託は、預金のように元本が保証されません。購入後に価格が下落することがあるため、損失が出たときにどの程度までなら保有を続けられるかを考えます。

「値下がりが怖くてすぐ売ってしまいそう」と感じるなら、投資額が大きすぎる可能性があります。最初は、価格が変動しても生活に影響しない金額に抑えることが重要です。

貯金ゼロから始める場合の手順

投資信託を選ぶ前に、次の順番で準備すると、生活費と投資資金を混同しにくくなります。

  1. 直近数か月の収入と支出を確認し、毎月いくら残るか計算する。
  2. 家賃、食費、通信費、保険料など、毎月必要な支出を把握する。
  3. 急な支出に備える現金を、投資とは別の口座などで準備する。
  4. 高金利の借り入れがある場合は、投資より返済を優先する。
  5. 近いうちに使う予定のない金額だけを、投資に回す上限として決める。
  6. 投資対象、分散の範囲、手数料、値動きの大きさを確認して投資信託を選ぶ。
  7. 購入後も、生活費や貯金を削って投資額を増やしていないか確認する。

毎月一定額を購入する方法でも、価格が下がらないとは限りません。積立額は、収入が減ったときにも続けられる金額ではなく、必要ならいつでも減額・停止できる金額に設定します。

貯金ゼロの人が避けたい投資信託の選び方

次のような選び方は、貯金が少ない人ほど避ける必要があります。

  • 「元本保証」「必ず増える」と説明された商品だけを信じる
  • ランキングや人気だけで購入する
  • 手数料を確認せずに申し込む
  • 生活費や家賃の支払いに使う予定のお金を投資する
  • 値下がりしたときに買い増すため、借り入れをする
  • 短期間で利益を出す目的で、値動きの大きい商品に集中する

投資信託の過去の運用実績は、将来の利益を保証するものではありません。実績を見る場合も、どの資産に投資しているか、どの程度の値動きがあったか、手数料を含むかを確認します。

貯金ゼロからの選び方で迷ったときの判断

生活費を確保できていないなら、投資信託を選ばず貯金を優先します。生活費とは別の現金を確保でき、余裕資金で始められるなら、投資対象の分散、手数料、値動きの大きさを比較して選びます。

最初に行うことは、投資信託を検索することではなく、毎月の収支と、急な支出に使える現金を確認することです。投資を始める時期を遅らせることも、損失を避けるための重要な判断です。